社員インタビュー Staff Interview 社員インタビュー Staff Interview

Staff Interview

社員インタビュー

山林事業部 林業グループ 島倉直人

勤続2年
50歳

林業に携わって10年のキャリアの島倉さんが担当しているのは、山の地形からの作業路のルート設計と開設という林業の先行作業だ。重機作業を円滑に進める上で重要な作業で土砂崩れが起きないように気を配る必要もある。仕事の難しさとやりがいについて聞いた。

研修で見た九州の規模の大きさに驚いた

――入社するまでのご経歴は?

 

入社する前は重機オペレーターをしていたのですが、その前はやはり林業をやっていました。林業は現職も含めて10年ぐらいです。

 

――エフバイオスの求人に応募されたきっかけは?

 

最初は広告で見ただけで、どんな会社か知らなかったのですが、ただ「林業をやったことがある人」という募集だったので、ちょっと話だけ聞いてみようかなと気軽に応募したんです。面接では、林業系の部長さんたちに質問攻めにされて、今までやってきたことを淡々と説明したことを覚えています。

 

――それまでやってきた林業というのは?

 

林業には木を出す方の林産と、木を植える方の造林があります。僕は林産で、機械に乗って大きな木を切って出す仕事をやっていたんです。

 

――入社して最初の印象はいかがでしたか。

 

まず九州で9ヶ月の研修を受けたのですが、九州での作業は規模が大きくて圧倒されました。機械のサイズも全然違うし、木の量も多いんです。

 

――エフバイオスの設備・機材は、他社にはないものが多いそうですね。

 

先進的過ぎるぐらい先進的だと思います。特に九州は先進的で、日本では他にないような機械があります。ノイソンとポンセのガゼルとフォックス。能力で言うと、今まで自分が使っていたものの3倍ぐらいの力があると思います。

そういう機械は、山で使うよりも、北海道のような広い場所のほうが活躍できるかもしれないです。九州ではそれを走らせるための施業がきっと大変だと思います。でも入れたらすごく効率的に作業ができるでしょう。

栃木の現場は、麓が住宅地なので大きな機械はなかなか通れません。だから機械のサイズを小さくして、家と家の間を縫って行くみたいな感じです。山に入ればいくらでも道は広げられるのですが、山に入るまでが使えないんですよね。

 

――そうすると、作業としての性質が九州とは違ってきますね。

 

そうなんです。九州なら大きな機械を使えて、トラックも大型が入りますが、栃木は大型が停められるところまで小さな車で何回も運搬をしなければならなかったりします。

 

 

作業路作りは考えることが多くて奥が深い

 

 

――普段のお仕事の内容を教えてください。

 

重機を山の中に入れる道を作るために、山を先に歩いて、地形や木の数から「ここに道があれば効率的に進むだろう」というところに印を付けていきます。そして実際にバックホーを使って作業道を開設していく仕事です。最初に山に入って、崖のようなところを崩して道にしていきます。ハイキングしたり椎茸を採りに行ったりするときに通る林道から先に入っていく作業道です。乗用車ではちょっと入りづらいような道です。

それ以外に、木を切った後は曲がった箇所や材木にならない箇所、枝葉などがゴミとして大量に出ますので、次に植え付けるときのことも考えながら、それをまとめて各所に片付けていきます。

 

――どんな苦労がありますか?

 

バックホーで行くのに、平らなところと急傾斜とでは取らなければならない泥の量が全然違うんです。自分さえ行ければいいわけではなく、他の人が使うための道なので、転圧の仕方や道幅を考えて崩れない方法を考えながら作っていきます。

バックホーのバケットで地面を押し固めていくのを「転圧」、山を削るのを「切土」といいます。たくさん切土をすると下に被害が出てしまうため、転圧を繰り返し、山の地形成りの急なカーブにならないようにします。なるべく盛って、高低差を無くしたり緩く曲がれるようにしたりします。

 

――奥深いですね。

 

ただ単にL字に切って作業路にすればいいのではなく、谷側にどれだけ転圧できるかで作業路の幅が決まるわけです。この転圧と切土の「盛る・切る」をバランスよくやって進んでいきます。また、転圧のできない急傾斜では全切りをして進んでいくこともあります。

 

――1日で作業道はどれくらい作れるのでしょうか。

 

山のサイズにもよりますが、地形の傾斜が緩く、丘のような地形なら早くできます。今使っているのは普通のバックホーではなく、フェラバンチャザウルスという木を切って掴める機械ですが、それを使えば1日で進める距離は40~50mぐらいです。

 

――土砂崩れとか起きたら怖いですね。

 

怖いです。山を歩いたときに、事前に崩れているところを見つけたら、そこは通らない設計に変えます。

 

――ルート設計が重要なのですね。

 

作業路が全部できたら、最後に山の地形から出てくる水を考えて、あちこちに水が分散して行くように溝を掘っていきます。作業していればどこに水が出やすいかはわかるので、1箇所に流れて道を流してしまわないように、分散するようにあちこちに掘りを入れて、沢の方に流れるように水の道を作るんです。これをやらないと、山が飛んで(崩れて)しまう可能性があります。「ここは出るだろう」「地形からここに水が集まるから、ここには大きな掘りを作っておこう」とか、そういう場所に溝を入れます。

ただ掘るだけではなく、雨が降ったときのために、山側は路面から高く、谷側は低くすることで分散して流れるようになります。いろいろ考えてやっています。

 

 

自分の工夫が形になるとやりがいを感じる

――やりがいを感じるのはどんなときでしょうか?

 

何もないところに道を作っていく最初の人になるので、やはりやりがいがありますね。プラスチックやアスファルトではなく、そこにある石や緩い泥、いろいろなものを混ぜて自分の工夫で作っていきますから、できあがったときの喜びがあります。

 

――林業グループの働きやすさはどうですか?

 

仕事的には働きやすいですね。僕がいる部署は若い人が多くて、林業に興味を持って入ってきた子が数人います。職人として育てるのはなかなか難しいのですが、会社の方向性に沿って早く仕事を覚えてもらうように指導しています。

 

――どんなふうに指導していますか?

 

あまり難しくない課題を与えて、「できるかい?」「やってごらん」という感じです。「こうした方が楽だったんじゃないか」、危ないと思ったら一瞬止めて、「なぜこうしたんだ?」と教えると、それで気づいてくれますね。全員同じセンスと運動神経、筋力があるわけではないので、一人ひとりがどのぐらいできるかを見きわめてから、なるべくやらせるようにしています。

 

――安全管理で気をつけていることは?

 

基本は危険作業で、危険な現場です。自分はどれだけこの仕事が危ないかということを身にしみていますし、会社のマニュアルもありますので、それに沿って注意しています。ただ、注意ばかりして萎縮されても仕事になりませんから、朝の挨拶やコミュニケーションで体調を見て、「いけるかな?」と喋りながらやってもらいます。

 

――ヒヤリハットの事例は?

 

たくさんあります。チェーンソーや草刈り機は、使ってはいけない場所で使うと、「キックバック」といって、機械が弾けるんですよ。知っている人間なら絶対にやりませんが、先日若い子がそれをやりました。でも危なさをわかってくれてよかったと思いました。「危ないんだよ」と言葉では伝えても、やっている人は集中していてわからないから、ヒヤリハットが起こる。だから「落ち着いてやれ」「安全にやれ」と日々言っています。

あと、「できないときは言ってくれ」と言うんです。人によっては「やってやる」という性格の人もいるのですが、無理はさせない。僕がいないときもありますから、そういうときは必ず一人ひとりに「安全にやってね」と言うようにしています。

 

――最後に、これから入社される人へのメッセージを。

 

自分が心掛けていることは、今自分がやっているところは他の人でも仕事がしやすいように作るということです。あと、今までやってきた仕事に比べると休日が充実しているので、家族と過ごす時間ができてよかったと思っています。仕事とプライベート、どちらも充実させることができる職場です。

 

インタビュー日時:2022年8月

山林事業部 林業グループ 島倉直人

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